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PROJECT STORY

プロジェクトストーリー
僕らはいつも、1人じゃない

近畿工業では社員1人ひとりが、変化を生み出す主役です。若手にも責任ある仕事を任せ、その意見を尊重します。しかし彼らは、決して1人ではありません。同じゴールを共有し、支えてくれる仲間が周囲にいます。1人では手が届かない理想も、チームと一緒なら叶えられる。そうして変化に挑んだ実際のエピソードを、ご紹介します。

前田_山根_中山_山本

提案の先に見据えていた、
“都市鉱山”での地位確立。

お客様は、金属スクラップ(※1)業界において大きな影響力を持つ企業だった。近年需要が高まり続けている金属スクラップ。廃棄物の中にある金属資源は“都市鉱山”(※2)と呼ばれるほど、今や社会にとって欠かせない存在だ。

近畿工業にとっても金属リサイクル分野でのシェア獲得は、今後の事業展開における重要課題のひとつである。そのためこのお客様とのお取引は、近畿工業が今後金属スクラップ業界で存在感を発揮していくための重要な足がかりになると考えられており、技術・営業とも特に力を入れて取り組んでいた。

この時お客様には、近畿工業の新製品である破砕機・キンキスーパーシュレッダー(KSP)の導入を提案していた。KSPはこれまでの製品とは違う、黒モーター(※3)と呼ばれる金属スクラップの処理に特化した性能を持っていた。従来のシュレッダーでは複数回投入する必要があった黒モーターを、KSPは1度の投入で難なく破砕する。銅や鉄、真鍮といった資源が含まれている黒モーターはお客様にとっても重要な処理物であり、KSPの性能は提案段階で高い評価をいただいていた。

まずはプロジェクトの前段階として、以前より稼働していた二軸破砕機の入れ替えを実施。いよいよKSPの商談を本格的に進めるというフェーズに入った時、予期せぬ事件が起きてしまった。

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技術担当 M.T

※1…鉄や銅など金属製品の製造工程で生じる屑(くず)や金属製品の廃物。

※2…都市で大量に廃棄される廃棄物に含まれるレアメタルなどの有効金属資源。

※3…冷蔵庫やエアコンなどに内蔵された冷却用レシプロ式コンプレッサー。

突如発生した、
“前代未聞のトラブル”。

第一報を受けたのは、営業のN.Kだった。電話口のお客様は、焦りと怒りの入り混じった声でN.Kに伝えた。
「新しくしたばかりの二軸破砕機が止まった。早く何とかしてくれ」
…そこから語られた状況は、N.Kの想像をはるかに超えた“非常事態”だった。技術担当のM.Tは、N.Kからの連絡を受けると、すぐに復旧作業へ出立する準備を始めた。彼の技術者としての直感が「まずいことが起きている」と告げていた。

トラブルの原因は、二軸破砕機にある固定刃という部品の落下。それがそのまま処理物と一緒に流され、次の工程にある衝撃式破砕機のハンマー部分で引っかかってしまったらしい。固定刃は非常に重量のある部品で、本来落下などするはずがない。それゆえ機械のあらゆる部分が、派手に壊れている可能性が高かった。

現地へ移動するM.Tの脳裏には、悪いイメージがよぎり続けた。
「どんな状況だとしても、とにかく動けるようにしなくては。お客様の仕事を、これ以上止めてはならない」

焦る気持ちを、彼は自らの決意で抑え込んだ。そうして辿り着いた現地の状況は、やはり楽観視できるものではなかった。しかし応急処置としての修理は何とかその日に完了し、翌日から機械は稼働を再開。M.Tたちはひとまず胸を撫で下ろした。

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営業担当 N.K

どんな壁も、“仲間と一緒なら乗り越えられる”。

復旧を終えた彼らが次にやるべきことは、原因の究明だった。N.Kら営業は今回の事態を受け、KSPの商談の一時中断を決定。納入から3ヵ月という短期間で、なぜ二軸破砕機が壊れてしまったのか、その理由を明らかにすることが、KSP提案における最優先事項となっていた。

しかしトラブル発生直後はお客様からの信頼を失ってしまっており、現地で思うように調査することも難しい状態となっていた。そんな状況を好転させたのが、近畿工業のメンバーが一致団結して解決に取り組む姿だった。
限られた時間でも、多くのメンバーが現地へ出向き調査へ打ち込んだ。そんな真摯さがお客様の心を動かしたのだ。この時行動したのは、N.K、M.T、そしてM.Tの先輩であるY.Kというコアメンバーだけではない。
例えば故障発生当日、M.Tと一緒に現地へ飛んで復旧にあたったエンジニアがいなければ、即日の復旧は叶わなかっただろう。また原因究明のため、彼らの上司が朝早くから現地調査へ同行したこともあった。

社内では何人もの同僚が、彼らにアドバイスをくれた。多くの仲間たちが嫌な顔ひとつせず力を貸してくれたことを、Y.Kは近畿工業の“らしさ”だと語る。

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立場が違っても同じ目標のために協力し合えるのは、近畿工業ならではの良さではないでしょうか。
規模の大きい小さいはあれ、私たちの仕事で全く同じ状況が二度起きることはありません。
リサイクルの世界はそれだけ多様で、変化に富み、時には想像を超えるような出来事もあります。
それでも乗り越えていけるのは、志を共有する仲間と一緒に働けるからだと、私は思っています。

こうして彼らは、お客様からの信頼を取り戻すことに成功した。原因究明にお客様の協力を得られるようになり、調査は進展。トラブル発生から2ヶ月あまりで、最終的な結論に辿り着くことができた。

固定刃が外れた理由は複合的なものであったが、一番の原因と言えるのが、二軸破砕機に投入されていた洗濯機だった。
実は最近の洗濯機の内部には、洗濯槽の回転を安定させるために分厚い鉄板の重りが入っており、破砕時に固定刃へ大きな負荷をかける。また洗濯槽の周囲には省エネのために塩水が入っており、これも固定刃を抑えるボルトを劣化させるやっかいな存在だ。新しい二軸破砕機はこういった負荷を考慮の上設計されており、計算上は問題なく洗濯機を破砕できるはずだった。
しかし推奨する使用方法やメンテナンス手順が守られていなかったため、固定刃が急速に劣化。接続部分にダメージが蓄積され、落下という事態が引き起こされてしまった。

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技術担当M.Tの上司 Y.K

バトンを引き継ぎ、
“お客様と辿り着いた最善策”。

トラブル発生からおよそ半年後、プロジェクトを新たなステップへと進めることができた。一時中断していた、キンキスーパーシュレッダー(KSP) 新規導入の再開である。

ここで中心的役割を果たしたのが、KSP設計担当のY.Kだ。彼は一時中断の連絡を受けた後も、仲間を信じて準備を進めていた。実際提案を再開した後に、Y.Kがお客様との間でやりづらさを感じたことはなかった。
仲間たちが信頼というバトンを繋いでくれたことが嬉しく、Y.Kを再度奮い立たせた。この時特に調整が必要だったのが、機械の設置方法だった。
設置場所の天井が低いため、クレーンを使う従来の方法が使えない。そこでY.Kはお客様および施工を担当するエンジニアリング会社と、やり取りを重ね最善の設置方法を模索した。最初に天井を抜く方法を提案したY.Kだが、エンジニアリング会社から紹介された「一度ばらした機械を内部で組み立てる工法」に注目。

最終的にその工法が採用となり、当初Y.Kが考えた工法よりも格段にコストを抑えることに成功した。力を合わせる相手は、時に社内の人間だけとは限らない。これはお客様と協力し合える関係ができていたからこそ辿り着けた、最善策と言えるだろう。

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KSP設担当 Y.K

お客様のご依頼に、一丸となって取り組む。それが近畿工業のチーム。
例え困難や危機に直面しても、メンバー全員で解決に向け、仕事をやり遂げることがお客様の信頼に繋がります。
そしてこれらの経験は、社員一人ひとりの仕事へのやりがい、ひいては会社の成長に繋がっています。

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