主に廃棄物処理やリサイクルの現場で使用される、破砕機・選別機のリーディングカンパニーを自負する当社は、「砕く・剪(き)る・選ぶ」というコア技術を駆使して製品開発を行ってきました。
昨今、廃棄物からレアメタルをはじめとする鉱物資源を取り出す「都市鉱山リサイクル」や、動植物由来の生物資源を利用した「バイオマスリサイクル」など、今まで見過ごされてきた廃棄物や資源の有効活用の重要性が強く叫ばれています。しかし、物理的に砕く・分けるという作業だけではリサイクル精度に限界が生じています。そこで、我々の使命として、さらに高度な技術開発が必要と考え、物理的化学反応「メカノケミカル」に着目し、新たな製品開発に取り組むことにいたしました。
「砕く・剪(き)る・選ぶ」+「メカノケミカル」。近畿工業のコア技術に化学的アプローチを加えることで、都市鉱山をはじめあらゆる廃棄物の新たなリサイクル技術を開発し、循環型社会の形成に貢献してまいります。
物質に「粉砕」という機械的な外力を加えることで、化学的変化を誘起する反応を言い、そのメカノケミカル反応のエネルギーは熱化学反応を大きく上回ると言われています。廃棄物をナノレベル(10億分の1ミリメートル)にまで粉砕することで誘起されるメカノケミカル反応により、レアメタル抽出を容易にしたり、有価金属回収などに有用な金属酸化物合成などが期待できます。また、有害廃棄物を非加熱で脱塩素化するなどの無害化処理も目指して行きます。
ガスクロマトグラフ質量分析計
常温気体、気化しやすい化合物の分析に威力を発揮します。質量分析計により得られるマススペクトル情報から成分の同定、定量ができます。排ガスや室内大気の分析、鉱油類の全成分分析など用途は広く、環境、石油化学、食品、製薬等広い分野に利用される装置です。誘導結合プラズマ発光分析装置
アルゴンプラズマ中に霧状にした試料を導入、各元素特有の光の波長情報より元素分析を行う装置です。多元素同時分析を迅速に測定可能で、検出感度が高く測定精度が高いのが特徴です。大気粉塵、排水などの環境分析、鉄鋼や半導体関連の超微量元素分析に利用できます。フーリエ変換赤外分光光度計
赤外線を試料に照射して透過または反射光量を測定し、分子構造や官能基の情報をスペクトルから得ることができ、有機化合物の構造を定性的に分析します。スペクトルのピーク高さなどから定量分析も可能です。高分子フィルムの成分特定、先端素材の物性評価、鉱物油の異物分析などにも利用されます。走査電子顕微鏡
電子線に磁場をかけて微細部を観察します。この電子線を走査しながら試料に照射、試料から放出される二次電子や反射電子を検出し試料表面の形態観察を行います。またEDX(元素分析器)付のため、観察しながら、試料の成分分析やマッピングも行うことができます。金属表面やその他物質の表面の微細部の観察や成分分析が可能です。高速液体クロマトグラフ
液体を移動相として試料中の各成分を互いに分けて成分を分析する装置です。ガスクロマトグラフでは制限される難揮発性物質、熱不安定物質、イオン性物質、高分子物質などの分析に利用されます。環境分野や医薬品、食品など広く利用されています。レーザー回折式粒子径分布測定装置
粒子にレーザーを照射し、粒子から発する回折・散乱光パターンを検出して解析して粒度分布を求める装置です。標準篩で粒度測定困難なマイクロオーダーの粒子の測定が可能です。破砕よりマクロな粉砕、微粉砕領域の研究開発に大いに力を発揮します。デジタルマイクロスコープ
光学技術と電子技術を組み合わせることにより、微小な物体を視覚的に拡大して観察する装置です。微細表面の観察で、被写界深度が浅く焦点を合わせにくい観察でも、画像処理により視野全体を鮮明に映し出すことが可能です。金属をはじめ粉体その他物質の表面観察や断面形状、深度の確認に利用できます。エネルギー分散型蛍光X線分析装置
X線を物質に照射、その波長や強度から元素の同定や定量を行うことができます。非破壊で分析できることが特徴です。汚染土壌、汚泥、焼却灰、プラスチックなどに含まれる有害重金属の分析が迅速に行えます。また厚さの分析も可能で、メッキなど多層膜の構成層の厚みと組成の同時分析も可能です。硬さ試験機
主に金属表面の硬さを測定します。ロックウェルとビッカースの硬度測定が可能です。破砕機メーカーとして独自に刃物材質や製法について開発してきた当社にとっては、欠かせない装置です。その他設備…自動比表面積/細孔分布測定装置、試料切断機 等
近畿メカノケミカル研究所 概要